「オンラインで遠く離れた場所から授業を受ける」
…ほんの1年前まで、あまり一般的なスタイルではありませんでした。
新型コロナの蔓延とともに、昨年春頃からオンラインのレッスンや講義が広がり始めました。
私自身も教師仲間とあれやこれやと役立つ情報をやり取りしながら、試行錯誤していました。
そんな時、以前から著書を愛読していた音楽学の先生のオンライン講座の告知が。
早速、受講を申し込みました。
オンライン講座が始まってみると、先生も受講者も慣れない機材やシステムに戸惑うシーンも…
ハプニングもありましたが、先生のお話も面白く、一時間半があっという間に終了。その後も質問タイムが盛り上がり、二時間以上の意義深いワークショップになりました。発言も求められるので、学生時代に帰ったようなドキドキ感も! この日はシューベルトの歌曲がテーマでしたが、他の受講生の皆さんの発想も新鮮で、新たな視点が得られました。その後、先生の講座はシリーズ化し、好評です。
先の見えない不安な時期ではありましたが、そういう時だからこそオンライン講座という新たな企画も出て来て、距離がハンデとならずに学びの場が持てたように思います。
この講座は音楽を鑑賞し、楽譜を分析し、各自の解釈を話し合う…というスタイルでしたが、楽器のレッスンでは事情が変わって来ます。
オンラインを通じたやり取りでは、約0.5秒の遅れが生じます。
普通の会話ではあまり気になりませんが、合奏などではこれが致命的な時差となります。
試しにヴァイオリンの二重奏をやってみても、相手の遅れに合わせようとしてさらに遅れ、あっという間にグチャグチャ。とても弾き続けられたものではありません。
オンラインでの合奏を可能にするソフトもありますが、お互いパソコンや光回線が必須だったりと、誰もが気軽に使えるネット環境ではありません。
教室での対面レッスンでは、先生に手拍子でリズムを取ってもらったり、合奏したりする機会もたくさんあります。しかし、オンラインではそれが難しい。
長く伸ばした音が途中で切れ切れになる、という問題も起きます。
こうした問題点をどう克服するのか?
多くの先生方がクリエイティブなアイディアを生み出しています。
楽器レッスンのオンライン化は様々なハードルをクリアする必要がありますが、教室でのレッスンに近づけるよう工夫して行きたいと思います。
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