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執筆者の写真栗原ヴァイオリン・ピアノ教室

バイオリンで奏でるG線上のアリア

「先生!うちの子に弾けるバイオリン用のG線上のアリアの楽譜はありますか!?」

お正月気分も一段落しレッスンを開始した頃、バイオリンの生徒さんのお母様から切羽詰まったご連絡をいただきました。


生徒さんのお祖父様は常日頃から「私の葬儀では孫にG線上のアリアを弾いてほしい」と仰っていたそうなのですが、急に倒れて危篤状態に陥ったとのこと。

これはもう...と、ご家族も覚悟を決められたご様子でした。


最近はバイオリンをテーマにしたドラマにも取り上げられ、人気が一層高まったG線上のアリアですが、どこか優美な響きのこのタイトルは何を意味しているのでしょうか?


この曲はバッハの作曲した管弦楽組曲第3番の中の第2曲「アリア(エア)」を、ヴァイオリニストのウィルへルミがピアノ伴奏付きのヴァイオリン独奏用に編曲したもので、ヴァイオリンの4本の弦のうち一番低い弦、G線だけで演奏できるようになっているため、G線上のアリアとして広く親しまれるようになりました。

移ろいゆくハーモニーの上を滑るように流れる美しいメロディーは心に沁み入るものがあります。


以前にも別の生徒さんがお祖父様の葬儀でお母様とバイオリンで二重奏をされました。ご家族だけの葬儀でしたが、言葉にならない想いを音楽に込め、お見送りすることが出来たとのことでした。

「バイオリンが弾けてこんなにも良かったと思ったことはありません。」とのお母様の言葉を、今でも良く思い出します。


冒頭の生徒さんのお祖父様ですが、駆け付けたお孫さんの顔を見て、医師も驚くほどの奇跡的な回復を遂げられたとのこと。

G線上のアリアの出番は、ずっと先のことであるよう願っています。



G線上のアリア、G線のみでこの第七ポジションまで使います。

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